1人が抜かれそうになり、隣のDFが助けに行く。

その隣もボールへ寄り、ゴール前のピボットが空く。

止めようとしたのに、相手は近い場所から楽に打てました。

守備をしていると、こんな失点がありますよね。

原因は、助けに行った気持ちではありません。

6人が「何を先に守るか」を決めていなかったことです。

良い守備は、すべてのシュートを消す守備ではありません。

危険な場所を先に消し、残ったシュートをDFとGKで止めます。

チームで決めるのは、この3つ

細かな動きを増やす前に、次の3つをそろえてください。

決めることチームの約束
消す場所中央突破とピボットへのパス
逃がす場所外側や、体勢が崩れる方向
最後に止める人DFが一方を消し、GKが反対を守る

「消す・逃がす・止める」が決まると、助け方が変わります。

全員がボールを奪いに行かなくなります。

隣のDFはすき間を閉じ、その隣は次のパスを待てます。

試合中に迷ったら、この3つへ戻れば大丈夫です。

シュートは、どこから打たれても同じではない

ゴール前の6m付近は、シューターとGKの距離が近い場所です。

中央から自由に打たれると、左右のコースも広く使われます。

ピボットに短いパスが通った場面も、すぐシュートへつながります。

先に消したいのは、この2つです。

  1. 中央を抜かれ、6m付近から自由に打たれる場面
  2. ピボットがDFの背中側でパスを受ける場面

次に避けたいのが、7mスローです。

7mスローは、明らかな得点機会を反則で止めたときに与えられます。

シューターとGKが向き合う、サッカーのPKに近い場面です。

遠い場所からのシュートなら、何でも安全なわけではありません。

助走があり、正面を向き、DFのブロックもなければ危険です。

距離だけで決めず、体勢と助走も一緒に見ます。

判断1 ボールより、ゴールへ向かう勢いを見る

相手が9mより外で横を向き、足も止まっている。

この場面で、全員が慌てて前へ出る必要はありません。

9mは、ゴール前にある点線のフリースローラインです。

中央を締め、ピボットと次のパスを見ながら待ちます。

相手が正面を向き、DFの肩より内側へ入ったら危険です。

最初のDFが正面へ入り、ゴールへ向かう足を止めます。

隣のDFは、ボールを奪いに飛び込みません。

抜かれそうなDFの背中側へ寄り、中央の道を閉じます。

相手を止め切れなくても、外側へ戻せれば仕事はできています。

判断2 ピボットが誰の背中にいるかを見る

ボールだけを追うと、ゴール前のピボットが消えます。

中央のDFは、攻撃が始まる前に短く声を出します。

「右にいる」「2人の間」だけでも十分です。

ピボットがDF2人の間へ入ったら、役割を分けます。

1人はボールへ出る。もう1人はピボットと裏を守る。

担当を替えるなら、「チェンジ」「そのまま」と伝えます。

2人とも前へ出ると、ピボットが空きます。

2人とも残ると、バックプレーヤーが楽に打てます。

DFスイッチの声かけは、この迷いを減らす約束です。

判断3 打たれるなら、DFとGKでコースを分ける

守備が整っていても、シュートを完全には消せません。

そこでDFとGKが、同じ場所を守らないようにします。

DFがシューターの内側へ立ち、中央のコースを狭める。

GKは、DFの体で狭くなった側へ重ならず、反対側を待つ。

この分担が見えると、GKは最後まで迷わずに構えられます。

DFが消す側を毎回変えるチームもあります。

相手の利き手や得意なコースに合わせるためです。

形は一つでなくて構いません。

「今回はどちらをDFが消すか」を共有できていれば動けます。

打たせて取るDFでは、体勢を崩して打たせる個人の動きを紹介しています。

外へ追い込むときも、押してはいけない

相手を外側へ運ぶことと、押し出すことは別です。

曲げた腕で触れ、相手の動きについていく接触は認められています。

胴体で進路へ入り、位置を争うブロックもできます。

腕や脚で止める。相手を押す。体やユニホームをつかむ。

これらは認められていません。

IHF競技規則JHA競技規則には、許される接触と反則が分けて書かれています。

合法な接触で進路を変える感覚は、ステアリングの基本でも確認できます。

7mを避けるなら、抜かれる前に動く

7mスローを避けようとして、突破後に強く止める。

これでは順番が逆です。

競技規則では、明らかな得点機会を不正に消すと7mになります。

相手が完全に抜けた後では、正面へ入る時間が残っていません。

パスが出る前。助走が始まる前。

ピボットがDFの背中へ回り切る前。

この早い時間に足を動かし、合法的に守れる場所を取ります。

7mスローの判定を知ると、守備を始める時間も見えやすくなります。

よくある崩れ方は、助けすぎから始まる

1人が抜かれそうになり、全員が寄る

助ける意識は間違っていません。

最初のDFはボールを止め、隣はすき間を閉じる。

その隣は次のパスとピボットを見る。

全員の仕事を同じにしないことが大切です。

遠い場所だから、誰も前へ出ない

9m付近でも、助走と体勢がそろえば危険です。

前へ出る目的は、すべてのコースを消すことではありません。

助走を切り、打点を下げ、GKが読める状態へ変えます。

DFとGKが同じコースを守る

DFが内側を消し、GKも内側だけを待つ。

これでは外側がそのまま空きます。

失点後は責任を探さず、役割が重なったかを確認してください。

外側のDFが中央を助けすぎる

中央へ寄りすぎると、ウイングの角度が広がります。

隣のDFが正面に入れているなら、外側は持ち場に残ります。

危険がまだ起きていないのに、先回りしすぎないことも守備です。

練習では、失点より「どこから打たせたか」を数える

3対3にGKを加えたミニゲームを試してみてください。

攻撃側は自由にプレーします。

守備側には、次の点数だけ伝えます。

攻撃の結果攻撃側の点
中央突破かピボットの得点2点
7mスローを獲得2点
DF越しの長いシュート1点
角度を狭めたウイングシュート1点

守備は失点数だけでなく、打たせた場所で評価します。

GKが止められなくても、守備の選択が良い場面はあります。

反対にGKが止めても、中央を簡単に割られたなら見直します。

点数は、チームの相手や課題に合わせて変えてください。

強いロングシューターが相手なら、長いシュートを2点にします。

練習の狙いは、6人の判断をそろえることです。

試合を見るなら、シュートの1秒前を見る

観戦中は、ボールとGKを追いたくなりますよね。

守備の良さは、その1秒前に出ています。

  • シューターは中央から外側へ動かされたか
  • ピボットの前にDFが残っているか
  • 助走と体勢を崩せているか
  • DFとGKは違うコースを守っているか

この4つを見ると、GKのセーブが偶然かどうかも分かります。

失点していても、狙ったシュートへ誘導できた場面があります。

全部を止めようとしなくて大丈夫です。

中央とピボットを消す。外側へ逃がす。

残ったシュートは、DFとGKでコースを分けて止める。

まずは次の練習で、この3つを言葉にしてみてください。

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