ハンドボールで「エース」と呼ばれる選手が多いポジション、それが**右バック(RB)**です。
「チームの得点源」「左利きの花形ポジション」「カットインの名手」——そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、右バックのポジションを「どこに立つのか」「何が求められるのか」「なぜ左利きが有利なのか」という基本から、世界の名手まで紹介します。
右バック(RB)とは
右バック(ライトバック / Right Back)は、バックコートプレーヤー3人のうち攻める方向に向かってコート右側に位置するポジションです。センターバック(CB)の右側、右ウイング(RW)の内側というイメージ。
攻撃の要として、ロングシュートやカットインで得点を狙う役割を担います。特に左利きの選手がこのポジションに就くことが多いのが特徴です。
コート上の位置
攻撃時: 攻める方向に向かってコートの右サイド、9mライン付近。フリースローライン付近から仕掛けることが多いです。
守備時: 6-0DFの場合、自ゴールに向かって左寄り(攻守でコートの左右が入れ替わるため)に立ちます。
なぜ左利きが有利なのか
右バックに左利きが多い理由は「角度」と「カットイン」の2つです。
角度の有利性
左利きの選手がコート右サイドからシュートを打つと、利き手(左手)がゴールに対して内側になります。つまりゴールの広い面に向かってシュートを打てる。右利きが同じ位置から打つと、利き手が外側になるためシュート角度が狭くなります。
カットインの有利性
右サイドからDFの間を割って内側へ切り込む(カットイン)とき、左利きだとボールを体の左側(DF側から見て遠い側)に保持できます。DFの手が届きにくく、ブロックされにくいのです。
もちろん右利きでも活躍できますが、左利きであるだけで構造的に有利なポジション——それが右バックです。
求められる能力
| 能力 | 内容 |
|---|---|
| シュート力 | 9m付近からのロングシュート。DFブロックを越える高さとパワー |
| 突破力 | DFの間を割るカットイン。緩急のあるステップワーク |
| 判断力 | カットインを見せかけてパス、ピボットやウイングへの展開 |
| フィジカル | DFとの接触に耐える体幹、ジャンプシュートの跳躍力 |
代表的なプレー
カットインシュート
右サイドからDFの間を縫うように内側へ切り込み、ジャンプしてシュート。左利きの場合、ボールを体の左側に抱えるためDFの手が届きにくく、GKのタイミングもずらしやすいプレーです。
ロングシュート(ディスタンスシュート)
9m付近からジャンプし、DFブロックの上を越えてゴールの四隅を狙います。スピンをかけたり、バウンドさせたりとバリエーションを持たせることでGKの反応を難しくします。
フェイントからのパス
カットインのモーションでDFを引きつけ、空いたスペースにピボットやウイングへパスを通すプレー。得点だけでなく、アシストでもチームに貢献できる幅広さが求められます。
向いている人
- 左利き — それだけでシュート角度とカットインが有利に
- 点を取ることが好き — チームの得点源として、勝敗を分ける場面でシュートを任される
- 勝負強い — 接戦の終盤でも冷静にシュートを決めるメンタル
- 1対1が好き — DFとの駆け引きを楽しめる
右利きでも、ロングシュートの精度が高い選手やパス能力に優れたゲームメイクタイプは十分活躍できます。身長の高さで勝負するタイプも、スピードで勝負するタイプも、どちらもOKです。
右バックの名手
| 選手 | 国 | 特徴 |
|---|---|---|
| マティアス・ギゼル | デンマーク | IHF年間最優秀選手3連覇(2023〜2025)。スピードと突破力と得点力、パスセンスまで兼ね備えた現役最高の右バック |
| 河原脩斗 | 日本(男子) | 左利きRB。パワフルなシュートが武器。藤代紫水高→日体大→大同フェニックス東海 |
| 藤田龍雅 | 日本 | 左利きRB。法政二高で史上初の高校三冠達成。中央大を経てデンマーク・ドイツで経験を積み、現在オランダ1部「E&O」で活躍中 |
| 榎本悠雅 | 日本 | 左利きRB。日本代表(彗星JAPAN)。藤代紫水高→筑波大→ハンガリーで4シーズン→現在セルビア「RKヴォイヴォディナ」でエース級の活躍 |
| 高木奈央 | 日本(女子) | 左利きRB。175cmの高さを活かす。名経大市邑高→大体大→イズミメイプルレッズ広島 |
まとめ
右バックは、ハンドボールにおける**「得点の花形」**ともいえるポジションです。特に左利きの選手にとっては、利き手の構造的な有利さが最大限に活かされます。
- カットインとロングシュートの2つの武器で相手DFを崩す
- チームのエースとして勝敗を分ける場面でシュートを任される
- 得点だけでなくパスでもチームに貢献できる
「点を取る喜び」を感じたい選手にこそ、おすすめのポジションです。
関連記事
- ハンドボールの基本ルール完全ガイド — ポジション構成の全体像
- ピボットの基本ポジショニング — RBとの連携に関わるポジション
- 7mスロー(ペナルティスロー) — RBが7mスローを任されることも多い