「相手が1人少ない。6対5だから、普通に回せばどこかが空くはず」
そう思って攻め始めたのに、横パスが続くだけで、最後は苦しいシュートになってしまう。そんな経験はありませんか?
実は、6対5は人数が多いだけでは十分ではありません。大切なのは、5人のDFに「誰が前へ出るのか」「ポストを誰が受け渡すのか」「逆サイドをどこまで捨てるのか」を同時に迷わせることなんです。
今回紹介するのは、LB(左バック)がCBへボールを返した流れで、DF①と②の間へ入り、DF②の背中側を取る形です。最近よく見るこの攻め方を詳しく解説します。
LBはDF①と②の間へ入り、DF②の背中側を取ります。②を動けなくしたあと、CBが左から攻める形です。
CBが左利きの場合は、左右を反転させた逆パターン(RBが入ってCBが右から仕掛ける形)も可能です。 チームの利き腕構成に合わせて使い分けてください。
一言で言えば、5人のDFに6つの仕事を押しつける形
6対5の数的優位では、理屈の上では誰かが空きます。ただし、6人が最初の位置に立ったままでは、DFも横にスライドしやすく、空いた選手へパスが届く前に対応できてしまいます。
そこでLBを6mライン付近のどこかへ入れるのではなく、DF①と②の間、特にDF②の背中側へ入れます。
DF②がCBへ前進すれば、背中側のLBへパスが通ります。LBを守るために残れば、CBへプレッシャーをかけられません。外側のDF①がLBを助ければ左ウイングが空く。
つまりLBは身体で②を押さえるのではなく、パスを受けられる位置に立つことで②を固定するんです。
動きを順番に見てみよう
1. CBからLBへ預け、すぐに返してもらう
最初にCBからLBへパスを出し、LBはCBへリターンします。
この往復はただの横パスではありません。CBが左バック側へ移動する時間と、LBがボールを返した勢いのまま内側へ走り込むきっかけを同時に作っています。
2. LBはDF①と②の間へ入り、②の裏を取る
CBへボールを返したLBは、その足で6mラインへ向かいます。目標はDF①と②の間。その中でもDF②がCBとLBを同時に視野へ入れにくい背中側を取ります。
ここでLBがDF①の正面へ寄りすぎると、①がウイングとLBをまとめて見られます。反対に中央へ入りすぎると、②を固定できません。①と②の間に立ち、②が前へ出た瞬間にパスを受けられる距離がポイントです。
3. CBが左へ寄り、DF②へ向かって仕掛ける
CBはDF②の正面へ向かって仕掛けます。右側ではRBがバックコート、右ウイングがコーナーに残って幅を取るため、ほかのDFも簡単には助けられません。
CBの役割は「左からパスを配る人」ではありません。まず自分がゴールへ向かい、DFを一歩引きつける。その一歩が出た瞬間に、味方へのパスコースが開きます。
CBには「5本のパス+自分の突破」が残る
この形の強さは、最初から答えを1つに決めないことです。CBがリターンパスを受けたとき、DFの反応に応じて展開を選びます。
DF②がLBを見て動けなければ → CBが仕掛ける
DF②が背中側のLBを警戒して前へ出られないなら、CBはそのままシュートや突破を狙います。ここが第一目的です。
DF①がLBを助ければ → 左ウイングへ
外側のDF①が内へ絞れば、左ウイングへのパスが通ります。
DF②がCBへ出れば → 裏のLBへ
②が前へ出た瞬間、背中側のLBが空きます。②が完全に前を向いたタイミングで背中側へ落とします。
DF③が左へ助ければ → PVへ
③がCBを止めるために左へ寄れば、もともとのピボットへのパスが狙えます。
DF全体が左へ寄れば → RBまたは右ウイングへ
無理に狭い場所へ通さず、逆サイドへ大きく展開します。
つまりCBの判断は、最初に動いたDFは誰かを見るところから始まります。まさにスーパーキャンセルの考え方そのものです。
この形で一番大事なのは、スペースより「時間」を作ること
LBがDF②の背中側を取った瞬間、②は前のCBと背後のLBに挟まれます。どちらか一方へ動けばもう一方を空けてしまう。この**「②が動けない時間」が、攻撃側のスペースになる**んです。
数的優位を生かすチームは、空いている選手を探すだけではなく、DFが迷っている瞬間にボールを持つ選手が前へ出ます。
よくある失敗
- LBがDF②の裏ではなく正面に立つ → ②を自由に動かしてしまう
- LBが中央へ入りすぎる → DF①と②の間から外れ、PVと重なる
- CBが外へ流れすぎる → DF②を攻める角度を失う
- 左ウイングやRBが幅を失う → ほかのDFが②を助けられる状態になる
- CBが安易にRBへ展開する → DF⑤にパスコースを読まれてカットされる。逆サイドへ振るタイミングはCBの判断が重要
中へ入る選手がいるからこそ、外に残る選手は幅を取る。このバランスが大切です。
練習のやり方
最初はDFを固定して形を確認します。LBの走り込む位置、CBの受ける位置、外に残る選手の幅を全員で揃えます。
形が合ってきたら、DFが「CBへ出る」「ポストを締める」「左へ寄る」のどれかを自由に選ぶ練習に移行します。こうすることで、パターン暗記ではなくCBの判断の練習になります。
まとめ
6対5で大切なのは「人数が多いから空くはず」と待つことではありません。
- LBがDF①と②の間に入り、②の背中を取って固定する
- CBが左から仕掛け、②の反応を読んで展開する
- 外に残る選手(左ウイング・RB・右ウイング)が幅を保つ
配置を変えてDFの判断を増やし、空く場所を自分たちで作る。それが数的優位の正しい使い方です。
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